Q&A
(大学・研究機関向け)

令和3年2月
経済産業省
貿易経済協力局 貿易管理部
安全保障貿易管理課

1. 技術提供に関する質問

 

(Q1)平成21年の外為法改正で技術提供の規制が強化されたと聞きました。技術提供について、気を付けるべき点は何ですか。
(A1)規制対象技術の提供については、改正前は居住者から非居住者に対するものだけ許可が必要でした。改正後、提供者が非居住者である場合や相手先が居住者である場合でも、規制対象技術を外国において使用や転売などをするために提供する場合には、対外取引とみなされるため許可が必要となりました(外為法第25条第1項 )。さらに外国で誰かに提供するために規制対象技術が記録されたものを持ち出す際にも、許可が必要です(同条第3項)。いずれにせよ、規制対象技術を提供する前には同条第1項の許可が必要になりますので、実際に技術提供を行おうとする場合には、初めから同条第1項の許可を取得して行うことが効果的です。
(Q2)教育は技術の提供に該当しますか。
(A2)技術は、技術指導、技能訓練、コンサルティングサービスその他の形態で提供されるため、このような内容が含まれる場合には、技術の提供に当たるとして管理してください。研究室で保有し、外に発表していないノウハウ、データやプログラムを用いて非居住者に指導を行う場合などは、内容によっては、許可を取得してから行わねばならない場合があります。(→A9もあわせてご参照ください)
(Q3)スーツケースに入れて通常持っていく機材のようなものは、リスト規制に該当していなければ、特に海外への持ち出しに問題がないと考えて良いでしょうか。
(A3)リスト規制品に該当しないものであっても、大量破壊兵器キャッチオール規制や通常兵器キャッチオール規制の対象となる場合があるため、注意が必要です。なお、共同研究で使用するための旧式の撮影機材や自作の測定装置などであっても、リスト規制品に該当するスペックを有するものがあります。その場合、たとえ持ち帰ってくるとしても輸出許可申請が必要になります。ただし、市販されているよう なノートパソコンや携帯電話については、一部を除きその大半がリスト規制非該 当となりますので、基本的に問題ありません。
(Q4)海外出張で、技術データや設計図面などを持って行く場合、自由に持って行けると考えていいでしょうか。
(A4)自己使用目的で、誰にも提供せずに持ち帰ってくるのであれば、対外取引とみなされないため基本的に問題ありません。そうではなく誰かに提供するために持ち出す場合、技術データや設計図面などがリスト規制技術に該当していれば役務許可申請が必要になります。また、リスト規制技術に該当しないものであっても、大量破壊兵器キャッチオール規制や通常兵器キャッチオール規制の対象となり得ます。この場合、客観要件又はインフォーム要件いずれかに該当する場合には、役務許可を取得してから行う必要があります。ただし、輸出令別表第3の地域においてはこの限りではありません。
(Q5)宅配業者に該非判定も含めて海外向け宅配便による発送をお願いする場合、気を付けるべきことはありますか。
(A5)必要な手続を教えてくれる業者もいますが、試験装置など複雑なものの該非判定は宅配業者では難しいのが現状です。その場合、貨物の具体的仕様を把握している者が該非判定を行うことが望ましいと考えられます。
(Q6)研究室の留学生が商品開発を伴わない基礎的な研究を行う場合に、技術指導等を含めた様々な技術提供を行う必要があります。この際、技術提供が、貿易外省令の許可を要しない役務取引等の「基礎科学分野の研究活動 」にあたらない場合には、役務許可申請が必要となるのでしょうか。
(A6)貿易外省令の許可を要しない役務取引等の「基礎科学分野の研究活動 」とはいえない研究活動の場合には、当該研究内容及び提供する技術の内容等がリスト規制またはキャッチオール規制に該当するのであれば、役務許可申請が必要となります。
(Q7)研究室の留学生等が行う研究において、リスト規制に該当する貨物を用いて研究に必要なデータを計測する必要があります。多くのデータが必要になるため、留学生等に操作方法を教えようと思いますが、この場合、該当貨物の使用等に必要な技術として役務許可申請が必要となるのでしょうか。なお、留学生等の研究内容はリスト規制には該当しない基礎的な研究です。
(A7)基本的に、「必要な技術 」とは、規制の性能レベル、特性若しくは機能に到達し又はこれらを超えるために必要な技術をいいます。一般的に、大学の研究室で使用される機器等の操作方法の多くが、非該当貨物と同等の操作技術(例 :公開されているマニュアル等に従って操作する技術のみ)であると推察されることから、留学生等が行う研究で必要となる機器等の操作方法を教える程度のものであれば、「必要な技術」には該当しないものと考えられます。ただし、原子力専用品の使用技術など、「係る技術 」として広く規制されているものもありますので、注意してください。また、該当貨物の取扱説明書の内容が、他の非該当貨物の取扱説明書と同様の内容であったとしても、メーカーが該当の使用の技術と判定している場合もありますので、しっかりと確認を行い、該当する技術が含まれている場合には、許可申請を行って下さい。
(Q8)日本国内に設置された輸出令別表第1の8の項、貨物等省令第7条第三号ハに該当のスパコンを海外からリモートアクセスさせる場合、または、日本国内で非居住者に利用させる場合、役務の提供になりますか。
(A8)日本国内に設置されたスパコンを海外からリモートアクセスさせる場合、または、日本国内の非居住者に利用させる場合は、利用させるプログラムに該当プログラムがあれば役務許可申請が必要です。また、スパコンの操作マニュアル等が該当技術であれば役務許可申請が必要です。なお、スパコンを使用するためのプログラム(オペレーティングシステム)は非該当ですが、当該プログラムを非居住者に利用させる場合には、利用者に懸念がないこと及び利用者の用途が核兵器等の開発等、別表行為、若しくは通常兵器の開発等にあたらないことを慎重に確認してください。
2. 特例に関する質問

 

(Q9)市販された教科書を用いるなど、公表された情報を用いて行う留学生等の非居住者を対象とする講義や実習に、貿易外省令第9条第2項第九号の特例の適用は可能でしょうか。
(A9)市販された教科書や公表された情報については、既に不特定多数の者に対して公開されている技術に当たると思われ、貿易外省令第9条第2項第九号の特例の対象となります。しかしながら、それらを用いて講義や実習を行う際に、その内容に公開されていない情報、技術等が含まれていないか事前に確認が必要です。
(Q10)大学等が、不特定多数の者を対象とするオンライン講座を行う場合、貿易外省令第9条第2項第九号の特例の適用は可能でしょうか。また、聴講者に対し、特定の聴講資格を設けているオンライン講座の場合には、貿易外省令第9条第2項第九号の特例の適用は可能でしょうか。
(A10)特定の聴講資格を設けず、大学等の在学生だけでなく、聴講を希望する者は誰もが参加することができる不特定多数の者を対象としているオンライン講座については、不特定多数の者が入手又は聴講可能な講演会等と同等のものと考えられるため、貿易外省令第9条第2項第九号の特例の適用は可能と考えられます。また、聴講者に対し、特定の聴講資格を設けているオンライン講座の場合には、一般的に、不特定多数の者が入手又は聴講可能な講演会等とは異なり、特定の者に対する技術の提供と同等と考えられることから、貿易外省令第9条第2項第九号の特例の適用はできないと考えられます。例えば、在学生のみが聴講可能なオンライン講座は、一般的に、特定の聴講資格を設けているオンライン講座に当たり、貿易外省令第9条第2項第九号の特例の適用はできないと考えられます。ただし、オンライン講座で提供する技術内容そのものが既に不特定多数の者に対して公開されている技術であれば、特定聴講資格者であっても貿易外省令第9条第2項第九号の特例の適用は可能と考えられます。
(Q11)研究成果などを公知とするための目的で、学会などで発表することもありますが、この場合、貿易外省令第9条第2項第九号の適用は可能でしょうか。また、上記の学会で発表した際の質疑・応答の内容も、同様に貿易外省令第9条第2項第九号の適用は可能でしょうか。
(A11)研究成果などに係る技術を学会などの場を通じて、不特定多数の者が入手又は閲覧可能とすることを目的とするものであれば、貿易外省令第9条第2項第九号の特例の対象となります。また、当該学会での質疑・応答の内容については、公知とするために発表した技術の範囲内であれば、同様に貿易外省令第9条第2項第九号の特例の対象と考えられます。
(Q12)学会用の原稿を送付する場合は許可不要ということですが、機微なものでもよいのでしょうか。
(A12)不特定多数の者が入手又は閲覧可能とするために論文発表や学会発表などで公表することは、技術を公知とするための技術提供に当たるため、それがリスト規制に該当する技術であったとしても役務許可を取得する必要はありません。ただし、学会参加者に守秘義務を課して発表を行う場合など、すべてが技術を公知とするための技術提供であると必ずしもいえるわけではなく、特例に当たらない場合は役務許可を取得する必要があります(貿易外省令第9条第2項第九号 )。その他、法令上の義務ではありませんが、一般公開を検討している原稿の中には 大量破壊兵器の開発などにも転用可能な技術情報が含まれている場合もあるため、大量破壊兵器の拡散を防止するという社会的な側面、科学者倫理に基づく側面も ご配慮いただき、一般公開の適否を慎重に検討していただくようお願いいたします。
(Q13)特許情報を提供する場合、許可を取らなくてもいいのでしょうか。
(A13)公開特許情報は「公知の技術 」に当たり、役務許可を取得する必要はありません(貿易外省令第9条第2項第九号)。
(Q14)非居住者に技術提供する際、最初に公知の特例を検討して、それが公知の技術であると確認出来た場合は、該非判定をしなくても良いでしょうか。
(A14)提供予定の技術が貿易外省令第9条第2項第九号の要件を満たす可能性が高い場合には、該非確認より先に特例の適用について検討し、その結果、要件を満たしていることが確認できれば、該非確認を行うことなく、当該技術を提供しても問題ありません。
3. 居住者と非居住者に関する質問

 

(Q15)居住者が、A国内に事務所を有する研究機関に勤務するB国人に対して規制対象技術を提供する場合、当該技術提供はどこの国に対しての提供に当たりますか。
(A15)特定国の非居住者とは、外為法の規定及び居住性判断通達に規定する基準に基づく自然人又は法人であって、特定国に属する(居所若しくは住居又は主たる事務所の所在を判断の基準とする)者をいいます(役務通達 )。この場合はA国の事務所に勤務しているため、相手先の国籍がB国であっても、A国に対する技術提供となります。
(Q16)2か月だけ日本国内の大学に雇用されているような外国人は、居住者に当たりますか。
(A16)雇用された時点で居住者に当たります。
(Q17)「居住者 」である留学生が夏休みなどの長期休暇で一時帰国し、再入国した場合、当人の居住性はどのように判断すればよろしいでしょうか。
(A17)居住者である留学生などが、大学の籍や日本国内の居所を残したまま帰国し、再入国した際は、引き続き「居住者 」として整理されると考えられます。個別具体的な判断が必要な場合は外国為替法令の解釈及び運用について(昭和55年1 1月29日付蔵国4672号 )の居住性の判断基準をご参照ください。
(Q18)来日して6か月未満の留学生を企業との共同研究に含める可能性があります。その場合、気を付けるべきことはどのようなことでしょうか。
(A18)当該留学生は非居住者と整理されるため、共同研究の技術内容を確認する必要があります。非居住者に対し提供する技術がリスト規制や大量破壊兵器キャッチオール規制及び通常兵器キャッチオール規制に該当するのか否かを判定し、外為法に基づき必要であれば許可を取得してから技術提供を行わなければなりません(外為法第25条第1項)。
(Q19)入国後6ヶ月以上経過した留学生については、どのような場合に許可申請が必要となりますか。
(A19)入国後6ヶ月を超えると居住者扱いになりますので、当該留学生に技術提供を行う場合の許可申請は不要になります。ただし、当該留学生が居住者として規制技術の提供を行う場合や、帰国時に外国において提供する目的で規制技術情報を持ち出す場合には許可申請が必要となります。なお、留学生が規制技術を提供しないか大学側がずっと監視したり、留学生が帰国する際に持ち物検査をしたりすることは現実的ではありませんので、当該留学生に大学で該当技術を提供している場合には、外国や非居住者に提供したり、持ち出したりする場合には許可が必要である事を留学生に注意喚起を徹底することが大切だと考えます。
(Q20)海外の大学等に籍を置いたまま来日した研究者は、6ヶ月経過後、居住者として判断しても良いのでしょうか。それとも、研究者が籍を置いている海外組織への技術提供と考え、6ヶ月経過後も非居住者と判断するのでしょうか。
(A20)当該技術を誰に提供するのか、つまり研究者個人に提供するのか、研究者が籍を置いている機関に提供するのかによって居住性の判断は異なります。前者の場合は研究者個人の居住性で判断して居住者への技術提供となり、後者は研究者個人ではなく、研究者が所属する機関で居住性を判断し非居住者への技術提供となります。
(Q21)学会発表などのため、大学が海外各国から多数の研究者を呼び寄せる場合に、気を付けるべきことはどのようなことでしょうか。
(A21)基礎科学分野の研究活動や公知の技術を提供する場合又は技術を公知とするための技術提供のみの場合、たとえリスト規制技術であっても特例に当たります。ただし、特例に当てはまるか否かについては慎重に判断することが重要です。また、特例に当てはまらない場合は、研究者の勤務する事務所がどこにあるか、入国してからどのくらい経過しているかなどで居住性が異なりますので、その判断にも注意が必要です(貿易外省令第9条第2項第九号又は第十号)。
4. 大量破壊兵器キャッチオール規制等に関する質問

 

(Q22)留学生に教える内容は、最終的に何に使われるかという観点から教えているわけではありません。大量破壊兵器キャッチオール規制の観点からどのように考えればよいでしょうか。
(A22)留学生が外国ユーザーリストに掲載されている組織の出身者である場合や、大量破壊兵器の開発に転用できそうな技術の提供を授業の一環として行う場合など、懸念が払拭されない場合には客観要件を確認することが必要です。また、経済産業大臣から許可の申請をすべき旨の通知を受けていないかどうか確認してください。なお、懸念が無く許可申請不要と確認されたため許可を取得せずに提供した場合であって、留学生が教わった技術情報を大量破壊兵器の開発などのため外国において再提供しようとする際には、留学生自身に外為法に基づき許可を取得する義務が課せられます(ただし、輸出令別表第3の地域においてはこの限りではありません)。このような安全保障貿易管理制度があることを、留学生にも注意喚起することが大切だと考えます。
(Q23)外国の機関や企業に懸念があるかどうか調べようがないのですがどうしたらよいでしょうか。
(A23)相手先や利用者などから入手したパンフレットや最終製品のカタログ、契約書、確認文書などを基に、核兵器の開発などを行う、又は行った旨の記載が無いか調べてください。その他、核兵器等の開発等の動向に関し作成している「外国ユーザーリスト」や、先方のホームページなども有効なソースです。
(Q24)国際共同研究の場合、先方で論文にならずに最終的に大量破壊兵器等の開発等に利用されてしまうかは大学では判断できません。それを規制されると共同研究ができなくなる可能性がありますが、共同研究に際して大学での判断はどうすればいいのでしょうか。
(A24)明らかガイドライン、用途チェックリストや需要者チェックリストなどに掲げられた事項を参照し、研究成果の用途に関する明確な説明がされているか、外国ユーザーリストに掲載されている研究機関に対し懸念区分に関係する技術提供を行うことにならないかなど、先方からよく話を聞いて確認するようにしてください。また、大量破壊兵器等へ転用を行わない旨の取決めや誓約書を取得することなども一案です。
(Q25)大量破壊兵器キャッチオール規制等の審査を行う過程で、経済産業省に相談したいのですがどの部署に相談すれば良いでしょうか。
(A25)安全保障貿易審査課に相談窓口 (03-3501-2801)があります。
5. 法令違反に関する質問

 

(Q26)リスト規制に該当しないというメーカーからの連絡を受けたので、確認せずに本来許可が必要な貨物を無許可で輸出してしまった場合は誰の責任になるのでしょうか。
(A26)外為法に基づき罰せられる場合があるのは、本来許可が必要な貨物又は技術を無許可で輸出又は提供した者です(法第69条の6及び7、第70条並びに第72条等)。たとえメーカーが該非判定を間違えた場合であっても、大学 ・研究機関が輸出を行っていれば、基本的に大学 ・研究機関が外為法違反の責任を負うことになります。必ず、該非判定内容について確認するようにしてください。
(Q27)外為法違反が発覚したとき、輸出手続を通関業者に依頼していた場合は大学が責任を取らなくても良いのでしょうか。
(A27)輸出許可の申請者は、大学や研究者など輸出しようとする者であることが原則です(運用通達 )。関税法 (昭和29年法律第61号 )に基づく輸出申告書の記入などとは別に、外為法に基づく輸出許可申請を行う必要があります。違反の内容が共同研究の一環として規制対象資機材を無許可で輸出してしまった場合など、輸出者が大学であれば、基本的に輸出者である大学が責任を負うことになります。
(Q28)法令違反が生じた場合で処分を受ける際、その処分は輸出した本人に限定されるのでしょうか。
(A28)違反の内容如何によっては、当該個人、所属する法人の両方が処分対象となることがあります(法第72条 )。
(Q29)大量破壊兵器キャッチオール規制技術の提供に際し、客観要件審査において「おそれ無し」と確認できたにもかかわらず、提供後、最終的に大量破壊兵器の開発に利用されてしまったとき、罰せられるのでしょうか。
(A29)大量破壊兵器キャッチオール規制では、貨物の輸出又は技術の提供を行うときに、経済産業大臣から許可の申請をすべき旨の通知を受けておらず、かつ用途や需要者に関して適切な調査を行った上で「おそれ無し」と認められるのであれば違反にはなりません(貿易外省令第9条第2項第七号 )。万が一、技術提供を行おうとするときに大量破壊兵器等の開発等に利用される疑いがあること等を知った場合は、速やかに経済産業省安全保障貿易審査課に報告してください。
(Q30)USBメモリに規制対象技術情報を入れて持ち歩いているとき、紛失してしまった場合や盗難にあった場合、外為法違反になるのでしょうか。
(A30)対外取引の意思や目的がある場合は違反に問われ得ますが、そうでない場合は外為法違反になりません。ただし、紛失や盗難の事実関係を明らかにして記録に残しておくと、後日何らかの説明を求められたときに役に立つことがあります。また、このような万が一の問題を最小化するためにも、規制対象技術情報をUSBメモリに入れて持ち運ぶ場合は、ファイルの暗号化、パスワードの設定などの対策が望まれます。
(Q31)パソコンを私用で海外出張に持って行くことは許可を取得する必要が無いと聞きました。しかし規制対象技術が入っている場合、紛失や盗難などで、他者に使われていることが分かった場合、技術提供に関する外為法上での処分はどうなりますか。
(A31)まず、一般の市場で広く販売されているノート型パソコンは、一部のものを除き大半のものは非該当品となりますので、輸出許可を取得する必要はありません。しかし、パソコンの中に入っている規制対象技術を、外国において提供するためにパソコンを海外へ持ち出す場合は、役務許可を取得する必要があり、無許可で提供した場合には外為法違反になります。また、紛失や盗難を装ってパソコンの中に入っている規制対象技術を外国において提供する場合も外為法違反になります。万が一の問題を最小化するためにも、パソコンへのログインパスワードの設定やハードディスク上の情報の暗号化などの対策が望まれます。